「優位表象システム」と「サブモダリティ」

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「優位表象システム」と「サブモダリティ」

突然の質問ですが、人間の五感とは何かをご存知ですか。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の5つの感覚ことですね。人間は日頃、時別意識しないかもしれませんが、この五感に頼って生きているのです。

優位表象システムとは

NLP(神経言語プログラミング)では、この5つを「Visual(視覚)」「Auditory(聴覚)」「Kinestic(触覚・味覚・臭覚の3つを合わせて『体感覚』と言う)」の3つに分類し、これらの頭文字を取って「V.A.K」などと呼ばれています。

人間はこの「V.A.K」を通して、脳で情報を処理しますが、面白いことに、人それぞれで「V.A.K」のどれを優先させるかが違っているのです。
V(視覚情報)を優先して情報を処理する人、A(聴覚情報)を優先して情報処理をする人、K(体感覚)を優先して情報を処理する人。皆さんも、基本的にこの3つのどれかのタイプに属しているはずです

このように3つに優先情報処理が分かれる現象を、「優位表象システム」と言います。

表象という言葉は日常的にあまり使われないので少しわかりづらいですね。この場合は、「知覚したイメージを記憶に保ち、再び心のうちに表れた作用」と解釈します。

それでは、「システム」とは何でしょう。
NLPで使われるこの用語は、普段私たちが浸かっている意味合いとは多少異なります。
私たちは、普段、何かを見たり聞いたり感じたりしながら、そのさまざまな事象を組み合わせて表象していきます。その組み合わせを「システム」と呼び、私たちはこのシステムの作用により、ある種の感情が生まれたり、思考が生まれたり、行動が決められたりします。

V.A.Kそれぞれの特徴

優位表象は、コミュニケーション時にもよく表われます。私たちはその違いに着目し、「ああ、この人はV優先の人だな」などと解釈し、カウンセリングやコーチングの進め方を工夫していきます。

V優先の人は、視覚を通した情報の量が多い傾向になります。
「新婚旅行はバリ島に行きましてね。あの紺碧の海が眼に焼き付いています。ビルが全然ないのもアジア的でよかったです。夜は本当に星がきれいでねぇ」
というように、「眼に映った記憶」を中心に思い出話をします。V優先の人の特徴的な傾向として、「とても情報量が多い」ことが挙げられます。次から次へと視覚情報を提供しようとするため、早口になり、どちらかと言うと声のトーンも高くなります。

次にA優先の人は、聴覚情報を記憶の中から手繰り寄せ、話を進めていきます。
「新婚旅行はバリ島に行きましてね。今でもザザーンと打ち寄せる波の音や、夜のショーで観た民族舞踊の太鼓の音が蘇ります。一緒にツアーを回ったアメリカの観光客たちが、ちょっとうるさかったですけどね」
このように視覚によって得た情報の多い話の内容になります。やはり、総じて情報量の多い内容となりますが、V優先の人よりは、多少話し方は緩やかで、声のトーンも穏やかです。

K優先の人はどうでしょうか。
「新婚旅行はバリ島に行きましてね。どこまで行っても遠浅が続いていまして、ざぶざぶと歩いていると気持ちよくて、水がまるでお湯のように暖かいんです。砂浜の砂の質感も日本のものと全然違うんですよ」
というように、話の内容に体感覚で得たものが多い傾向にあります。体感覚を他人に話をすると、どうしても説明的になりますので、話すスピードや声の質がVやAに比べて穏やかになる傾向になります。

サブモダリディ

皆さんは、V.A.Kのどの傾向が強いですか?
さて、五感を構成する細かな要素のことを「サブモダリティ」と呼びます。
視覚の要素である「色」「明るさ」「距離」「位置」などは「視覚のサブモダリティ」であり、「音の大きさ」「音の強さやリズム」「音の聞こえる位置」などは「聴覚のサブモダリディ」、「温度」「湿度」「感触」「重量」などは「体感覚のサブモダリティ」ということになります。

人間の脳は、これら、さまざまのサブモダリディと関連して出来事を記憶しています。
そして、各感覚のサブモダリティを変化させることによって、人間の感情や精神状態を変化させることができるのです。これをサブモダリディチェンジと言います。

たとえば、子供の頃激しく教師に怒られ、それが今でも心の傷となっているとしましょう。
このときの記憶を想い起こすと、怒り顔の教師の顔(視覚のサブモダリディ)、怒鳴り声(視覚のサブモダリディ)、肩を強く掴まれた感触(体感覚のサブモダリディ)などのサブモダリディが浮かんできます。

その時の教師の間近の顔を遠くへと移動させ、穏やかな人の顔に変化させると、一緒に怒鳴り声ももっと穏やかな声に、掴まれた肩の感触も、軽く手が触れた程度に変化していくようになります。
視覚情報の要素である「差し迫る怖い顔」の記憶を変化・放出させることで、その時の記憶全体を変化させ、それにより心の安堵を得ることができる、つまり脳内の五感の要素を変えることで、過去の縛りから自己を解放させるということが可能になるのです。
(医療コミュニケーション協会 須田)

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