ねぎらいの心

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「ねぎらいの心」

良好なコミュニケーションを育む。与えられた課題を達成する。悩んでいる部下や後輩たちへ助け舟を出す。沈滞している組織を活性化させる。
医療現場のこのような目的を実現するために、私たちはコーチングやNLPといった手法を紹介し、具体的なスキルを研修等を通じて提供しています。

目指す組織の姿

コミュニケーションの根底にある最も重要な概念は、「共感」「承認」といった、相手へ寄り添いの姿勢を持つことです。そこを外してコミュニケーションを語ったり、スキルを学んだりといったことをしても基本的には無意味だと考えています。
そして、「感謝」や「ねぎらい」のような相手を敬う姿勢が自然発生的に表れることを由(よし)とし、「共感」「承認」「感謝」「ねぎらい」が常に循環している組織こそが理想であり目指す姿だと捉えています。

しかし、コーチングにしろNLPにしろ、アメリカで産まれ発展してきたコミュニケーションの手法ですので、多分に日本的な「心」が根底にあってこそ、その精神が尊ばれる「ねぎらい」に関しては、コーチングやNLPのどの教材にも出てきませんし、日本人以外にはなかなか理解できない概念かもしれません。

感謝とねぎらいは、どこが違う?

「感謝」と「ねぎらい」はどこが違うのか?なかなか言葉にしてその違いを定義するのは難しいのですが、私たち日本人は、本能的にその二つを場面に応じて上手く使い分けているのではないでしょうか。

「感謝」の発生はきわめて日常的です。医療の現場で自分の利益に適ったことを他人がやってくれたという場面は随所で見られます。たとえば、とても忙しく手が回らなかったので点滴の交換を代わりに同僚にお願いしやってもらった場合、点滴の交換をやらずに済んだことで他の業務に時間を割くことができたわけですから、自分の利益に適ったことになります。
「Aさん、悪いけれど204号室の○○さんの点滴の交換をお願いできる?」と、依頼した時、Aさんがそれを実行してくれたことに関し、こちらとしては感謝の意を示すのが職場のルールですし、人間としての当然の所作だと思います。このような「感謝」は一日の仕事上のあらゆるシーンで散見されます。

心を尽くす、が「ねぎらい」の根本

「ねぎらい」は、通常の「感謝」にさらに心を尽くした相手に対する行為または気持である、と解釈できます。ただの「ありがとう」ではなく、相手がどれほど苦労し手間暇をかけてやってくれたか、それを正しく汲み取った上で、心を込め感謝の気持を伝える、という所作と捉えて良いように思います。
そう考えると「ねぎらい」は「相手を敬い、深く感謝する」と定義できます。

「忙しい日常の中ではそこまで気を回す必要もないでしょう。軽い“感謝”で十分ですよ」と思われるかもしれませんが、「ありがとうね」という言葉の中に、受け手が心からの感謝が込められていると感じられれば、言葉が短く端的であっても、そこに「ねぎらい」の心を感じることは容易です。

非言語の重要性

ここで一つ、微妙な問題に触れてみましょう。
「心を尽くしてくれた」と感じるのは、相手と何らかの交流をしたときに、こちら側が主観的に感じる感情です。ところが、連絡のみならず会話さえメールやSNSで行うようになった昨今、文章のやり取りの中で、「心を尽くされた」と純粋に感じることができるのか、という問題です。

コーチングやNLPなどでは、表向きの言語よりも無意識に発せられる非言語の所作、すなわち「仕草」や「顔つき」の方に相手の本音がより強く現れるという前提のもとに対話をする場合があります。
コーチやNLPのトレーナーは、相手の話し方、声の感じ、眼の動きや手ぶり・身振りなどを観察しながら話を聞いていきます。それをキャリブレーションと言いますが、当然ながらメールやSNS、または電話では、相手の姿が見えませんから、肝心の非言語による感情の表出を捉えることができません。
「ありがとう」と言う言葉の裏に込められた感情が、真に心のこもったものかどうか・・・文章の受け手は判断できません。もちろん、前後の文脈や表現の仕方で、真摯な想いが伝わるということはありますが、顔を合わせ感謝に溢れた仕草でその言葉を言われるよりも、やはり「ねぎらわれた」と感じる瞬間的な熱量は違うのではないかと思います。

「ありがとう」との想いをあの人に伝えたい。
「話すのが苦手だから」「恥ずかしいから」メールにする、のではなく、顔を合わせ、はっきりと言葉で、ねぎらいたい気持を伝えませんか。
(医療コミュニケーション協会 須田)

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