お役立ちコラム

「職員の仲が良い」ことより、ずっと大切なこと

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「職員の仲が良い」ことより、ずっと大切なこと

「デジタル的」「アナログ的」と、物事を区分けすることがよくあります。朝礼は言ってみれば「アナログ的」な儀式に近いものかもしれません。効率やスピードを重視するデジタル的な事や物を最優先に考えるなら、朝礼は非効率的で、いずれはデジタルなメール配信などによって取って替えられるものと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「メールで自分の考えや経営方針などを伝達する」ことと「朝礼を行なう」ことはまったく別の事柄に属します。前者は「一方的な伝達」が、後者は「人づくりと職場の活性化」が目的だからです。

効率やスピードを優先しない

デジタル的な効率とスピードばかりを優先してしまうと、職員同士の交流やふれあいの場、つまり人間関係を密にする機会が次第に少なくなってしまいます。病院への帰属意識、参加意識も希薄になるでしょう。

朝礼は、参加者が仲間に愛情や連帯感を感じながら、人間としての魅力を向上させる体験を学ぶ場として最適なものであると考えられないでしょうか。なぜなら、「職員同士が素直に自分を表現し合い、お互い本気で認め合い、協力し合おう」という雰囲気が生まれ、その日一日の仕事への取組みが前向きになるからです。仕事をしてゆく上で、「今日も頑張るぞ!」というワクワク感は重要ですよね。

明るい風土の病院や、そこで働く常に成長を意識している職員は例外なく活力にあふれています。いうなれば、活力は組織とそこに働く職員とが前進し発展してゆく源になるものです。朝礼は、その活力を注入する場なのではないでしょうか。
ここで言う朝礼とは、いわゆるカンファレンスとは少し意味合いが違います。情報の伝達や申し送りだけならば、前述したように「デジタル的な手法」すなわちメールなどで十分なわけです。

朝礼を行う意味は、朝礼の前から朝礼後へ、参加した人の心の状態がどのように変化するかではないでしょうか。つまり、「今日も一日、本気出すぞ!」の心が芽生えるかどうか、そこが朝礼をやるかやらないかの判断基準になると考えます。「職員の夢とやる気に火を点す場として朝礼は存在する」と言ってもよいのかもしれません。

ある病院では、朝礼は、伝達や報告だけではなく、職員同士が仕事への情熱を新たにし、みんなで働くことの幸福感を得られる場であることを心がけています。しかし、「職員同士が仲良くする場」では決してありません。単に「仲良し」だけの間柄には、勇気も貪欲さも育ちません。下手をすれば「馴れ合い」な空気に支配されてしまう恐れがあります。馴れ合いは会社にとって大変危惧する事態であろうと思います。それに慣れてしまうと、緊張感が著しく失せ、活力の低下を招いてしまいます。

みんなの前で、三分間スピーチをすること

これを全職員が順番に行います。何か課題を与えられ、それについて意見を述べるというのではありません。スピーチの内容は自分で選んで考えます。仕事上の事柄だけではなく私的な内容でも、何を話してもかまいません。各自のテーマ選びとそれをどのような言葉で他の社員たちに伝えるか、それを聞いた職員が何を感じるか、そして何を得られるか・・・

最初のうちは、話す内容をあれこれと悩みながら考え、こんなことを話すと反発されるのではないか、こんな内容ではみんなから軽蔑されてしまうのではないか、ぜんぜんつまらないと思われてしまうのではないか、このような疑心暗鬼にかられます。話す日が近づくと日増しにプレッシャーが大きくなり、その当日は頭が真っ白になり、話した後にほっとするもつかの間、「果たして言いたいことが正しく伝わっただろうか」「肝心なことを言い忘れてしまった」「早口になりすぎて、理解してもらえてないんじゃないか」等々、反省材料ばかりに頭が支配されます。

しかし、次第に回数を重ねてゆくうちに、話のポイントをどう伝えるか、言いたいことをきちんと伝えるにはどのような言葉で話せばいいのか、話を聞いたみんなに何を感じてもらえればいいのか、などがわかってきます。話の組立てや起承転結なども考慮できるようになります。「次は自分の番だ、どうしよう」ではなく「次は自分の番だ、よしあの経験を話してみよう」などの余裕も生まれてきます。

そして、「これは少し厳しい意見になるかもかもしれないが話してみよう」とか、「人に気を使う話し方ではなく、自分が思ったことや感じたことをありのまま真摯に伝えてみよう」という勇気が生まれます。

進行役である管理職はスピーチ終了後自分の感想を述べ「いい話をありがとうございました」と締めくくります。これは単に儀礼的な締めの言葉ではなく、スピーチした職員の勇気を讃え、話への共感を心から示す言葉なのです。そして、そのスピーチに対し、別の職員にコメントを求めるのですが、コメントを依頼された職員も誠実に自分の感想を述べます。その際、相手への気配りを意識し、いわゆるヨイショをするようなことはしません。思ったことをきちんと伝えます。だからこそ、相手はそれを謙虚に受け止められ、たった三分間のスピーチで何らかの気づきを得ることができるのだと思います。

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